円山公園のお散歩

数年前まで、私は京都に住んでいました。
京都は、桜の名所がほんとうに多くて、
春にお散歩すると街全体が
なんとなく、ぼ~っとピンクにけむっている感じです。
京都市内は、小学校から大学まで学校も多く、
2~3分歩けば、必ずどこかの桜の木が視界に入ってくる感じです。
京都の有名な観光地、八坂神社の隣に
円山公園という桜の名所があります。
ここは、四条河原町や祇園などの繁華街も近く
桜の季節になると、平日の昼間から
宴会のお客さんで、一杯になります。
特に、学生さんの団体が多く
騒がしい酔っぱらいさんに囲まれて
何だか桜も気の毒に感じられるくらいです(苦笑)
そんな状況を知っているので、
桜の季節には、あまり円山公園には近づかないようにしていたのですが
ある時、公園の中心にある有名なしだれ桜の花をどうしても見たくなり
平日のお昼過ぎに、円山公園を訪れました。
案の定、公園は酔っぱらいで溢れ
騒がしくて、のんびり桜を見ている余裕はありません(涙)
しだれ桜も、老木だからなのか
それとも病気なのか、満開の時期のはずなのに
半分くらいの枝にしか花がついていませんでした。
「ああ、みすぼらしい感じになってしまったな…」と
何となく寂しい気持ちになって
公園から出ようと歩いていると、
向かいからゆっくりゆっくりと歩いてくるおばあさんがいました。
私は目があまりよくないので、
最初はわからなかったのですが
おばあさんの首から肩のシルエットが
なんだか変なバランスなのに気づきました。
「何かを背負って歩いているのかな…??」
と思って、よく見てみると
おばあさんの肩にストールを巻く様に
大きな茶トラの猫が、おとなしく乗っていました。
どうやら近所の方みたいで、
騒がしい花見客に目もくれず
ずっと肩の上の猫に話しかけながら
ゆっくりゆっくりお散歩してました。
猫もうっとりした半眼で
おばあさんや、桜の木を仰ぎ見ながら
くつろいでいる様子です。
うららかな春の、とても微笑ましい情景でした。